- 不動産鑑定士試験を受験してみたいけど難しいのかな?
- 他の国家資格と比べた場合、難易度はどれくらいかな?
こういった疑問に不動産鑑定士試験に合格した筆者が答えて行こうと思います。
結論から言うと筆者は不動産鑑定士試験に合格するまで専業で勉強して3年、およそ5,213時間を費やしています。
他の国家資格と比べた場合、税理士と勉強時間的には同じぐらいでしょうか。
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不動産鑑定士試験の合格率
短答式試験の合格率 | 論文式試験の合格率 |
---|---|
36.3% | 16.7% |
最近は合格率も徐々に上がっており、令和3年の合格率は以上のようになりました。
団塊世代が定年の時期を迎えているのでおそらくここしばらくはこれぐらいの合格率で推移するのではないでしょうか。
全体を平均すればこのようになりますが、論文式試験の年齢別合格率を見てみると少し違うことが見えてきます。
短答式試験 | 論文式試験 | |
---|---|---|
30歳未満 | 45.9% | 27.6% |
30歳以上35歳未満 | 40.4% | 20.7% |
35歳以上40歳未満 | 38.8% | 18.5% |
40歳以上45歳未満 | 35.4% | 14.9% |
45歳以上50歳未満 | 35.0% | 8.8% |
50歳以上55歳未満 | 25.8% | 5.1% |
55歳以上60歳未満 | 17.7% | 10.2% |
60歳以上 | 27.3% | 6.2% |
平均の合格率は確かに短答式試験で36.3%、論文式試験で16.7%ですが、年齢が若いほど合格しやすくなっています。
若い人は専業で勉強している人がけっこういるので合格率が高くなっていると思いますが、若くないと根気が続かないというのも原因の一つだと思います。
不動産鑑定士試験は論述試験があるので暗記することが多く若い人の方が有利になっています。
不動産鑑定士試験の合格率の推移
短答式試験
短答式試験の合格率は近年30%以上で推移しています。
平成29年 | 平成30年 | 令和元年 | 令和2年 | 令和3年 |
---|---|---|---|---|
32.5% | 33.4% | 32.4% | 33.1% | 36.3 |
まじめに半年ぐらい勉強すれば合格することは可能だと思います。
短答式試験に合格すると3年間は免除されるのでその間に論文式試験に合格する必要があるので、論文試験対策も同時に進めていく必要があります。
論文式試験
論文式試験は近年15%前後の合格率となっています。
平成29年 | 平成30年 | 令和元年 | 令和2年 | 令和3年 |
---|---|---|---|---|
14.5% | 14.8% | 14.9% | 17.7% | 16.7% |
論文式試験が不動産鑑定士試験のなかで最も難しく、論文式試験に合格できれば不動産鑑定士になったも同然です。
論文式試験なので合格するかどうか運の要素もありますが、1回目の試験で合格する人もいます。
多くは2~3回目ぐらいに合格するのではないでしょうか。
不動産鑑定士試験の概要

不動産鑑定士になるまでには三つの試験に合格する必要があります。
ひとつはマークシート式の短答式試験。
試験科目は「不動産に関する行政法規」「不動産の鑑定評価に関する理論」の2つとなっています。
合格率は大体30%前後で、概ね7割正解すれば合格となっています。
短答式試験を合格したら次は論文式試験です。
不動産鑑定士になるために最も難関となる試験です。
試験科目は「民法」「経済」「会計」「不動産の鑑定評価に関する理論(論文問題)」「不動産の鑑定評価に関する理論(演習問題)」
合格率は大体15%前後で、概ね6割正解すれば合格となっています。
最後に合格する必要があるのが、実務修習試験です。
こちらは実際に働きながら指導鑑定士の指導のもと鑑定評価報告書を作成する試験です。
こちらの合格率は8割から9割と高くなっています。
不動産鑑定士試験についてもっと詳しく知りたい人はこちらの記事を参考にしてください。
将来不動産鑑定士試験の難易度は低下する?
国土交通省の不動産鑑定評価懇談会において不動産鑑定評価制度の今後の方向性に関する提言が取りまとめられました。
その中で論文試験に不合格でも、一定以上の成績を得た科目については、一定期間受験を免除するとの記述があります。
当面の方策に関する提言であり今すぐ試験制度が変わるわけではありませんが将来的には科目合格が導入され合格しやすくなる可能性があります。
税理士、司法書士などとの勉強時間から見た難易度の比較
不動産鑑定士と弁護士、公認会計士をまとめて三大国家資格と言ったりしますが、個人的に弁護士、公認会計士とは受験者の質などが異なると思いますので、どちらかと言うと不動産鑑定士と難易度が同じぐらいと思われる、税理士、司法書士と比較してみたいと思います。
司法書士に合格するために必要な時間は、3,000時間と言われています。
下のブログの人は司法書士試験合格までに3,400時間を費やしたみたいです。
税理士に合格するために必要な時間は早い人で2,500時間、少し遅い人で5,000~6,000時間といわれているそうです。
下のブログの人は税理士に合格するまでに5,871時間費やしたそうです。
では不動産鑑定士試験の場合はどうか、不動産鑑定士の場合は合格するために2,000~5,000時間必要といわれているそうです。
【合格者が語る】不動産鑑定士試験の勉強時間はどれくらい必要?の記事で書いていますが、私が不動産鑑定士試験に合格するために、5,213時間を費やしています。
勉強時間だけを見れば、マークシート方式の試験割合が大きい司法書士が一番受かりやすいと言えるのかもしれません。
ちなみに、宅建から不動産鑑定士へダブルで資格をとろう!で記事にしていますが、宅建なら100〜200時間で合格することが可能です。
不動産鑑定士は少し難しいそうだと思った人はまずは宅建にチャレンジして勉強クセをつけるのも手だと思いますよ。
2 件のコメント
不動産鑑定士試験の天王山は論文試験です。
短答式は宅建に合格できる方なら合格圏内です。
科目としても「不動産に関する行政法規」は宅建とかぶる法令が多く、
難易度は宅建よりは高いものの、試験方式は択一式で同じです。
短答式の合格者は論文試験の受験資格を与えられ、論文試験の合格率は約10%です。
ただ、この論文試験は短答式試験の10倍ぐらい難しいです。
民法、経済学、会計学と鑑定理論(理論と演習)の5科目と多岐にわたります。
短答式はどれか一つ正解肢が用意されていますが、論文式は白紙答案もあり得ます。
設問に対して全て自分で答案構成し、解答用紙を埋めなければなりません。
短答式と異なり、合格レベルに達しているかどうかをセルフチェックできないので独学は難しいです。
資格試験で論文試験を課せられるのは司法試験、公認会計士試験、不動産鑑定士試験だけなので、
三大国家試験と呼ばれるのです。
合格するには受験予備校の指導を受ける必要があります。
最も合格占有率が高いのはTACですね。
他校よりも学費はやや高めですが、カリキュラムや講師の質からすれば妥当です。
すごいまとまったコメントありがとうございます。
私もその通りだと思います。