不動産鑑定士と税理士はどちらも独占業務を持つ国家資格であり、資格としての難易度も同じようなものと言われていることからどちらを受験するか悩んでいる人も多いと思います。
不動産鑑定士と税理士は試験制度も仕事内容も異なるものですので、この記事ではこれらを比較しながら紹介させて頂きます。
どちらの方があなたにふさわしい資格かこの記事で判断してください。
タップできるもくじ
試験制度

サト
不動産鑑定士も税理士も記述式があるけど、科目合格があるかないかが大きな違いだよ。
不動産鑑定士の試験制度

不動産鑑定士試験制度は上の図のようになっています。
不動産鑑定士になるためには3つの段階があります。
まず、マークシート方式の短答式試験。合格率は約30%。
次に、記述式の論文試験。合格率は約15%。
最後に実地で学ぶ実務演習です。合格率は約85%。
一番の難関は論文試験であり、短答式試験及び実務演習は比較的合格しやすくなっています。
論文試験は記述しないといけないため暗記することがめちゃくちゃ増えるんですよね。
この論文試験を突破できるかが不動産鑑定士になれるかどうかの関門になります。
不動産鑑定士試験は税理士試験と違い科目別合格はありません。科目別合格が導入されるとの噂がありますがまだ実現には至っていません。
税理士の試験制度

税理士試験は上の図のように科目を選択することができ、通算5科目に合格すると税理士になれます。
各科目の合格率は概ね10~20%であり、合格した科目は税理士になるまで有効です。
解答方式は記述式となっています。
受験資格

サト
不動産鑑定士試験は受験資格がないけど、税理士試験は様々な受験資格があるのでよくチェックしておこう。
不動産鑑定士試験の受験資格
年齢、学歴、国籍、実務経験等に関係なく受験できます。
論文式試験は、本年実施の短答式試験に合格した者及び平成29年又は平成30年の短答式試験の合格者のうち本年の受験申請において短答式試験の免除申請をした者が受験できます。(平成31年不動産鑑定士試験受験案内より)
不動産鑑定士試験は受験者の減少などにより2006年から受験資格を撤廃しています。
ですので、短答式試験については誰でも受験できる資格となっています。
論文式試験については、短答式試験に合格してから3年以内のもの、実務修習試験については論文試験に合格したものが受験資格となっています。
税理士試験の受験資格
- 大学または短大の卒業者(法律学または経済学に属する科目を履修している者)
- 大学3年次以上の者(法律学または経済学に属する科目を含め62単位以上を取得した者)
- 専修学校の専門課程(いわゆる専門学校)修了者で、法律学または経済学に属する科目を履修している者
- 日商簿記1級または全経簿記上級の合格者
- 実務経験者(業務従事期間2年以上)他(平成30年度(第68回)税理士試験受験案内より)
税理士試験においては様々な受験資格があるため自分は当てはまるのか確認しておいたほうがいいでしょう。
大学または短大の卒業者、実務経験者などの要件があるため受験資格としては不動産鑑定士試験より厳しいと言えるでしょう。
試験での科目免除

サト
どちらも司法試験か公認会計士試験に合格してれば免除があるけど科目免除のハードルは高いね。
不動産鑑定士試験
- 司法試験又は旧司法試験第二次試験に合格した者は民法が科目免除
- 公認会計士試験に合格した者又は旧公認会計士試験第二次試験に合格した者は会計学及び合格した試験において受験した科目(民法又は経済学)が科目免除 など(平成31年不動産鑑定士試験受験案内より)
不動産鑑定士試験においては司法試験及び公認会計士試験に合格したものには科目免除があります。
税理士試験
- 弁護士、公認会計士となる資格を有する者等は、無試験で税理士登録可 など(平成30年度(第68回)税理士試験受験案内より
税理士試験は司法試験及び公認会計士試験に合格したものは無試験で税理士に登録することができます。
試験に合格すると科目免除される試験

サト
試験に合格すると免除がたくさんもらえるのは税理士試験だよ。
不動産鑑定士試験
- 不動産鑑定士試験に合格すると公認会計士試験の論文式の民法又は経済学が免除
- 中小企業診断士の「経済学・経済政策」科目が免除
不動産鑑定士試験に合格すると公認会計士試験及び中小企業診断士試験で科目免除があります。
また、試験に合格しても宅建は免除されませんが、不動産鑑定士試験の短答式試験に合格するぐらいの学力があれば宅建試験も合格することは十分可能です。
私も、不動産鑑定士試験に合格した年に受けましたが少し勉強しただけで合格できました。
宅建に合格するためには凡そ100~300時間必要とされていますが、不動産鑑定士試験に合格した人ならほとんど勉強しなくても合格することが可能です。
税理士試験
- 税理士試験に合格すると無試験で行政書士に登録することができる
- 税理士となる資格を有する者は、公認会計士試験の短答式試験の「財務会計論」と論文式試験の「租税法」が免除
- 税理士試験の簿記論及び財務諸表論の科目合格者は、公認会計士試験の短答式試験の「財務会計論」が免除
- 公認会計士試験合格者等、税理士試験合格者等、弁護士となる資格を有する者等は、第1次試験の「財務・会計」科目が免除
- 税理士(試験合格者、試験免除者等)などは中小企業診断士の財務・会計が科目免除
税理士試験に合格すると公認会計士及び中小企業診断士で科目免除があります。
税理士試験に合格して、さらに公認会計士試験に挑む気力があるか疑問ですがけっこう優遇されてますね。
個人的には行政書士に無試験で登録できるのがいい感じがします。
難易度

サト
勉強時間的には同じくらい必要かな。
でも、不動産鑑定士試験は科目別合格がないので短期集中・専業で勉強できる人のほうがいいね。
税理士試験は科目別合格があるので働きながらでも目指しやすい資格だね。
不動産鑑定士
不動産鑑定士試験は短答式試験、論文式試験、実務修習の3つの試験があり、合格率はそれぞれ約30%、約15%、約80%となっています。
受験資格がないため受験者層のレベルという意味では税理士試験より低いかもしれません。
しかし、短答式試験に合格してから3年以内に合格しないと短答式試験の合格が取り消されてしまうため、短期で合格する必要があり働きながらの合格はなかなか難しいと思います。
また、試験に合格するためには一般的に2,000~5,000時間が必要といわれています。
私は不動産鑑定士なので試験に合格しましたが、合格までに費やした時間は5,213時間でした。
税理士
税理士試験は科目別合格があり、有効期間もないので働きながら勉強し少しずつ科目合格していき最終的に合格を目指せる試験となっています。
1年1科目で絞って勉強できるため働いている人には受験しやすいかもしれません。
税理士試験に合格するためには早い人で2,500時間、遅い人で5,000~6,000時間が必要と言われており必要となる勉強時間は不動産鑑定士試験とおおよそ同じくらいとなっています。
EX-ITというブログでは税理士取得に5871時間費やしたと書いてあります。
仕事内容

サト
試験に合格すると一生その仕事に就くから自分にあったのはどちらかよく考慮しよう。
不動産鑑定士
不動産の鑑定評価に関する法律により不動産の鑑定評価を行うことは不動産鑑定士だけができる独占業務となっています。
市場や地域を分析することにより、土地や建物、借地権といった様々なものの経済価値を判定します。
税理士
税理士には税理士法で定められた独占業務が3つあり税務業務は税理士だけが行うことができます。
- 税務書類の作成
- 税務代理
- 税務相談
税務書類の作成は確定申告や相続税申告書など税務署に提出する書類を作成します。
税務代理は納税者の代わりに税務申告を行う仕事です。
税務相談は相続、贈与など様々な税務相談を行う業務です。
税理士は税金のプロフェッショナルであり、確定申告などが主な業務ですが、税金の知識を有することから税の視点からみた企業経営の相談などコンサルタント的な仕事もあります。
税法は改正が多く常に最新の情報を学ぶ必要があるため大変です。
年収
不動産鑑定士
厚生労働省の平成29年賃金構造基本統計調査によると不動産鑑定士の平均年収は778万円です。
不動産鑑定士になると全員ではありませんが、地価公示や地価調査などの公的業務に携わることができ年収は比較的安定しているといえます。
税理士
職種別年収ランキングというサイトによると税理士の年収は4位で1,042万円となっています。
平均で1,042万円ですからかなり高所得と言えます。
ちなみに不動産鑑定士は8位となっています。
おすすめの予備校
不動産鑑定士
不動産鑑定士試験を受験するためにおすすめの予備校はTACとLECです。
それぞれの良いところ悪い所を簡単にまとめると、
TACは費用が少し高いですが、論文試験の合格者は70%ぐらいTAC受講生であり合格実績は圧倒的です。
一方、LECは費用の面ではTACに比べてかなり安いですが、合格実績でやや劣ります。
税理士
税理士試験を受験するためのおすすめの予備校は「TAC」か「資格の大原」です。
TACにはカリスマと言われる講師もいる大手ですが、合格実績では2年連続60%超の資格の大原にやや軍配があがります。
まとめ

図でまとめると上記のようになります。
受験を考えている人にとって一番大きいのは科目合格のあるなしではないでしょうか。
不動産鑑定士試験は科目合格がないため短期集中でがんばる必要がありますが、税理士試験は科目合格があるため長い時間をかければいつかは合格できる試験ともいえます。
働いている人にとってはありがたい制度ですよね。
ほかに年収の違いも気になりますが、どちらの資格も合格したら一生の仕事にできる資格ですのでやはり自分にとってあっている資格を取るのが一番です。
不動産と税あなたが興味がある、好きというのはどちらでしょうか。