宅地建物取引士(以下宅建)は毎年受験者が20万人近くいる国内でもトップクラスの大規模な国家資格となっています。
宅建はマークシート方式の試験であり国家資格の中では合格しやすくなっています。
この記事は、宅建の試験制度や宅建を取ることによるメリットなど宅建についての基本的なことを知りたい人に向けの記事になっています。
タップできるもくじ
宅建を取得することによるメリット

- 独立開業やキャリアアップが狙える
- 毎月5千円~3万円の資格手当がもらえる可能性がある
- 建築会社、金融機関、不動産管理会社への就職や転職が有利になる
- 不動産について必要な知識を一通り勉強できる
宅建を取得することにより不動産に関して法規制から税金まで一通りの勉強をすることができます。
ですので合格者になると不動産に対して知識を有する人なんだと周りから認めてもらうことができ、就職や転職、キャリア形成の上でとても役に立ちます。
下の記事では宅建士入門としておすすめのテキストから分野別の目標点数まで、宅建を受験する際に知っておいて欲しいことをまとめた記事になっています。
参考にしてみてください。
宅建に合格しないとできないこと
国家資格保持者というのは国家から一定の知識を有すると認められた人でありその人にしかできないことがあります。
その人にしかできない業務のことを「独占業務」といいますが、宅地建物取引士にも独占業務があります。
- 物件に関する重要事項の説明
- 重要事項説明書への記名・押印
- 契約書への記名・押印
宅建に合格した人でないと以上の業務を行うことができないため宅建の需要がなくなることはまずないでしょう。
また、法律により「事務所ごとに従業員5人あたり1人以上の宅建士を設置しなければならない」と決められているため宅建を持っている人は重宝されます。
宅建の試験制度

今年の試験は、コロナウィルスの影響により試験会場の確保が難しく10月17日と12月19日に受験者を振り分けて試験を行うそうです。
他にもマスクの着用やクラスターが発生した場合の保健所への個人情報の提供など様々な注意が出ています。
公式で確認しておきましょう。
また、試験当日はマスクを忘れないようにしましょう。
試験のスケジュール(概要)
- STEP
6月 実施告知
- STEP
7月 申し込み開始
- STEP
8月 試験会場通知の送付
- STEP
10月 試験実施
- STEP
12月 合格発表
令和4年の試験のスケジュール
- STEP
6月 実施告知
令和4年6月3日
- STEP
7月 申し込み開始
【郵送申し込み】
令和4年7月1日~令和4年7月29日
【インターネット申し込み】
令和4年7月1日 9時30分~令和4年7月19日 21時59分
- STEP
9月 試験会場通知の送付
- STEP
10月 試験実施
令和4年10月16日 13:00~15:00
令和4年12月18日 13:00~15:00
- STEP
12月 合格発表
令和4年11月22日(10月に受験した人)
令和5年1月30日(12月に受験した人)
※上記スケジュールは予定のものも含まれているので詳しくは以下の公式サイトでご確認ください。
受験資格
年齢、性別、学歴などの制限はなく誰でも受験することができます。
宅建に受験制限はなく誰でも受験することができますが、宅地建物取引士に登録するためには以下のどちらかを満たす必要があります。
実務経験がないよ!という人でも宅建試験合格後に登録実務講習を受ければ、実務経験を有するものと同等以上の能力を有するものと認められるので安心して下さい。
- 2年以上の実務経験
- 国土交通大臣がその実務の経験を有するものと同等以上の能力を有すると認めたもの
受験費用
8,200円
試験時間
2時間
試験方式
全問4肢択一式のマークシート方式
試験内容
民法 14問
宅建業法 20問
法令上の制限 8問
その他関連知識 8問
※登録講習者はその他関連知識から5問免除

サト
試験内容の分野ごとに特徴を押さえて効率的に勉強しよう!
5問免除者の制度についてはこちらの記事で詳しく説明していますので、5問免除者に該当するか確認してみてください。
合格率の推移
合格率は概ね15%前後で推移しており、合格率が上下していないので受験する年によって当たり外れがなく受験しやすいと言えますね。

サト
宅建が士になって試験が難化したと言われているよ。受験生の質があがったことと個数問題が増えたことが原因だと思うよ。
合格点の推移
その年の試験の難易度によって多少かわりますが、近年35点あれば合格できる点数の推移になっています。
宅建の満点は50点なのでおおよそ7割正解できれば合格できますよ。
受験者数の推移
宅建は合格基準点以上とれば合格できるので受験者数が増えたからライバルが増えると一概には言えません。
しかし、宅建は士業に格上げになったことから注目度があがり近年は受験者数は増加傾向にあります。
他の国家資格は受験者数が減少しているものが多いなかで、宅建の受験者が増加しているということは注目度が増えている証拠ですね。
宅建に合格したあと実務経験が2年未満の人の場合
宅建の試験に合格したあと実務経験2年未満の人の取引士証交付までの流れは下の図のようになっています。

サト
実務経験2年未満の人が資格登録するには「登録実務講習」を受ける必要があるよ。

登録実務講習の内容は、以下のようになっています。
- 通信学習:1ケ月
- スクーリング演習:2日間
- 修了試験
スクーリング演習は予備校に実際行かないと行けないので登録実務講習を予約するに当たっては受験会場に注意しましょう。
最後の修了試験はテキストの持ち込みが可能なので99%以上の人が合格でき普通は落ちないと思うのでそれほど心配する必要はないでしょう。
登録実務講習を受けるに当たって嫌な点はお金がかかってくるところです。
登録実務講習はTACやLECなどの予備校が行っていますが相場はだいたい2万円前後。安いところは1万円前後となっています。
受講を予約するのは早いもの勝ちなので合格していたらすぐに予約するようにしましょう。
登録実務講習実施機関や費用の相場は下の記事を参考にしてください。
宅建に合格したあと実務経験が2年以上の人の場合
宅建の試験に合格したあと実務経験2年以上の人の取引士証交付までの流れは下の図のようになっています。

サト
実務経験2年以上の人はすぐに資格登録できるよ。

宅建士に合格後、実務経験が2年以上ある人は都道府県に登録して取引士証の交付を受けます。
交付を受けるまでに行う法定講習や登録でけっこうお金がかかるので注意する必要があります。
登録するだけで37,000円も取られるというのは高いですよね。
私は不動産取引をする仕事ではないので試験に合格していますが登録はしていません。(不動産鑑定士という仕事をしています。)
その場合でも試験に合格したこと自体は一生有効なので登録したくなったら法定講習を受けて登録することも可能です。
宅建の試験制度まとめ
宅建は国家資格の中では比較的難易度が低く合格しやすい試験になっているので、がんばれば必ず合格できる試験です。
また、近年士業に格上げされて注目度も上がっており今後も人気は継続されると思うので取っておいて損のない資格となっています。
資格は取得すれば一生有効であり、自分の能力をわかりやすく人に示すことができるので就職や転職に有利になるでしょう。