物権変動をわかりやすく解説。原則第三者に対抗するには登記が必要!

物権変動

※ 文中の灰色の部分はタップやクリックすると答えが見れます。

物権変動は過去5年間で1回だけ出題されています。

物権変動は宅建ではあまり出題されませんが、重要な分野なので勉強しておきましょう。

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この記事の監修者
サト

不動産鑑定士

サト

Sato

プロフィール

宅建に4回落ちたという黒歴史を持つ不動産鑑定士39歳。宅地建物取引士・ASA国際資産評価士・競売不動産取扱主任者・基本情報処理技術者・TOEIC730。合格していない資格の記事については合格者に外部委託して執筆しております。プロフィール詳細コレハジについて

物権変動とは?

民法では権利を物権債権の二つにわけて規定しています。

債権とはある者が特定の者に対して一定の行為を要求する権利のことです。

貸金債権が代表例ですね。

貸金債権は債務者に対してお金を払うことを要求する権利です。

一方、今回勉強する物権とは物に対する権利のことです。

こちらは所有権が代表例です。

売買などで所有権が変動することを物権変動といいますが、1つのものを二人の人に売ってしまった場合はどうなるのでしょうか?

下の例でみてみましょう。

物権変動

この例では、売主のゾウさんがカエル君と犬の二人に家を売っています。

民法は意思主義を採用しているので、売主と買主の意思表示によって有効に契約が成立します。

ですので、カエル君も犬も所有権を取得して自分のものだと主張できるのですが、二人とも所有権を持っているのでお互い主張しあうだけで結論がでません。

そこで、民法は登記を持っている人が第三者に自分の所有権を主張できるとしました。

この主張できるというのを対抗できると法律用語ではいいます。

第三者とは?

第三者とは「当事者及び包括承継人以外の者で,不動産の物権変動について登記の不存在を主張するにつき正当な利益を有する者をいう」と民法で規定されています。

上の図でいうと犬が第三者にあたります。

第三者に対して権利を主張するには登記が必要ですが、そもそも第三者に当たらず登記がなくても権利が主張できる場合があります。

その一例としてここでは背信的悪意者をみていきましょう。

Q

売主AがBに対して甲土地を売却し、Bは登記をせずにいました。Bが登記をしていないことを知ったCはいやがらせ目的でAから甲土地を取得し、登記を備えました。CはBに対して権利を主張できるか?

CはBが登記をしていないことを知ってしました。つまり悪意だったわけですが、単なる悪意の場合は登記を備えていれば権利を主張できます。

しかし、Cは単なる悪意を超えてBを害する目的で契約をしています。このような、人を背信的悪意者といいます。

背信的悪意者は登記を備えていても自己の権利を主張できません。ですので、設問でいうとCはBに対して権利を主張できません。

また、背信的悪意者かどうかは個人ごとに判断するため、背信的悪意者Cから権利を取得したDさんがいて、背信的悪者でない場合、Bに対して権利を主張できます。

背信的悪意者以外にも、無権利者不法占拠者などに対しては登記なくして自己の権利を主張できます。

登記がないと対抗できない第三者

登記がないと対抗できない第三者として以下のものがあります。

  • 取消の第三者
  • 時効完成の第三者
  • 解除前後の第三者

※ 解除は登記、登記どちらに対しても登記が必要なので注意してください!

※ 取消前の第三者については詐欺のところなどを、時効完成前については時効の記事をみてください。

ここでは、取消後の第三者についてみていきましょう。

Q

ゾウさんはカエル君と土地の売買をしましたが、ゾウさんはカエル君の詐欺を理由として契約を取り消しました。しかし、その後カエル君は犬に土地を売却してしまいました。ゾウさんは取り消しの効果を犬に主張できるのでしょうか?

犬が登場したのは、ゾウさんが取消をした後なので、犬は取消後の第三者になります。

そして、売買契約を取り消すことによりカエル君からゾウさんへの所有権の復帰的変動とカエル君から犬への売買という二重譲渡に類似した関係になります。

よって、ゾウさんが物件を犬から取り返すには登記が必要になります。

時効完成後の場合も同様に登記があれば権利を主張できます。

解除については解除前も解除後も第三者に対抗するためには登記が必要です。

解除後については先ほどの詐欺による取消の場合と同様に考えます。

解除前についてはこのように考えます。

ゾウさんの解除により契約は遡及的に無効となりますが、545条1項但書では第三者の権利を害することはできないとされています。しかし、権利を保護する要件として第三者に登記を要求しています。

第五百四十五条 当事者の一方がその解除権を行使したときは、各当事者は、その相手方を原状に復させる義務を負う。ただし、第三者の権利を害することはできない。

サト

サト

不動産鑑定士

宅建に4回落ちたという黒歴史を持つ不動産鑑定士の39歳。
不動産鑑定士の試験勉強時代に全国模試で3位の実績。
宅地建物取引士・ASA機械設備評価士・競売不動産取扱主任者・基本情報処理技術者・TOEIC730点。
宅建など資格の勉強法について書いていこうと思うので参考にして下さい。

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