不動産鑑定士である筆者が思うには、厳しいようですが不動産鑑定士試験に独学で合格することは難しいと思います。
論文式試験に独学で合格することが難しいからです。
私は不動産鑑定士ですが、周りの人ですべて独学で合格したという人はいません。
では、短答式試験には独学でも合格できるのか、なぜ論文式試験は独学で合格するのが難しいのかをみていきましょう。
もくじ
不動産鑑定士試験の概要
不動産鑑定士になるまでに3つの試験に合格する必要があります。
マークシート方式の短答式試験と記述式の論文式試験、働きながら実際の実務的な演習をする実務演習の3つです。
短答式試験の合格率は毎年30%前後、論文式試験の合格率は毎年15%前後、実務修習の合格率は60%前後となっています。
不動産鑑定士試験で一番難しいのは論文式試験の合格です。
この論文式試験の合格が独学では厳しいと思います。
短答式試験は独学でも合格可能
短答式試験の科目と勉強法
短答式試験の科目は鑑定理論と行政法規の2つです。
5肢択一式のマークシート方式ですので過去問を徹底的に繰り返すことにより独学でも合格することは可能だと思います。
難易度は宅建より少し難しいぐらいなので、半年から一年ぐらい勉強すれば合格する可能性があります。
短答式試験を独学で勉強するためのおすすめテキストと問題集
不動産鑑定士の短答式試験に独学で合格するためのおすすめテキストと問題集はこちらの記事にまとめてあります。
基本的にはTACのテキストと問題集を使っておけば問題ないと思いますが、+αで私が使っていたテキストや問題集も紹介しています。
論文式試験に独学で合格するのが難しい4つの理由
論文式試験に独学で合格するのが難しい理由としては4つあります。
3年以内に論文式試験に合格する必要がある
短答式試験に合格すれば合格した年も含めて3年間は短答式試験を免除されて、論文式試験から受験することができます。
しかし、3年を経過すると短答式試験の免除が取り消されてしまうので論文式試験には3年以内に合格する必要があります。
独学で長い期間をかけて勉強できるならいいですが、3年の間に集中して合格する必要があるので独学ではなくノウハウを提供してくれる予備校に行く必要があると思います。
モチベーションが続かない
不動産鑑定士試験は理解も重要ですが基本的には暗記試験です。
不動産鑑定基準、民法の論証例、会計基準など覚えることがたくさんあります。
暗記するためには最低限時間が必要なので、独学だと毎日一人で図書館で10時間とか勉強する必要があります。
それを短くても2年ぐらい続けないとダメです。そんな精神力は普通ないですよね。私だって独学なんて絶対ムリです。
論文試験の書き方がわからない
不動産鑑定士試験は短答試験が終わると論文試験がありますが、論文試験を受けたことがあるっていう人は多くないのではないでしょうか?
論文試験は、理論の組み立て方や語句の言いまわしなど書くためのコツみたいのがあります。
そいうのは一人で勉強していてもわからないので、予備校で先生に添削してもらうことで身につけていく必要があるんです。
理論の組み立て方がしっかりしていないと採点する方はわかってないのかな?と思って減点してしまいます。
論文試験を受けたことがない人は論文試験の書き方を身につけるためにも予備校に行ったほうがいいでしょう。
知識だけでなく理解が必要
暗記が得意で仮に全部暗記できたとしてもそれだけでは、やはり合格できません。
鑑定評価基準も暗記だけでなく理解が必要です。
例えば、建物の個別的要因のうち、
建物の維持管理の状態が劣るとき鑑定評価するうえでどこに反映させるべきか?
こういうのは基準を覚えるだけでは解けないので理解する必要があります。
理解が進めば原価法の観察減価で反映させるなど、どこで反映させればいいのかがすぐわかるようになります。
こういうのも、予備校で出される模試やミニテストを繰り返すことで身につきますよ。
一人ではなかなか限界がありますよね。
費用を抑えて不動産鑑定士試験に合格したいならLEC
費用を抑えて不動産鑑定士試験に合格する方法は、短答式試験は独学で勉強して論文式試験だけLECに通うというのが一番安いと思います。
合格実績で言えばTACの方が圧倒的ですが、LECの方が受講料は安くなっています。
私は行ったことがありませんが、合格している人はいるので本人のやる気次第だと思います。
費用を抑えて不動産鑑定士試験に合格したい人はLECを選んでみてはどうでしょうか?