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住宅瑕疵担保履行法(正式には特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律)はほぼ毎年出題されるので、勉強しておく必要がありますが、出題される部分が限定されており、少しの時間で対策が済みます。
以下の頻出のところだけ勉強しておけばたぶん本試験でも解けると思うのでやってみてください。
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住宅瑕疵担保履行法の概要
住宅瑕疵担保履行法の概要については私が説明するより、協会作っている動画や国交省が作っているマンガがあるので以下のものを見てください。
とてもわかりやすくできていると思います。
概要はなんとなくわかったでしょうか?
宅建対策としては概要をなんとなく掴んであとは以下の頻出マークの付いているところを勉強しておけば十分でしょう。
住宅瑕疵担保履行法の対象者
住宅事業者は保険に加入したり、保証金を預けておくことで、万が一、倒産した場合でも、欠陥を直すための費用を確保することが、住宅瑕疵担保履行法で義務づけられています。
では、どのような場合に住宅事業者が保険に加入したりして、資力確保(以下では、「住宅販売瑕疵担保保証金の供託」と「住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結」を合わせたものを資力確保と言います。)をしなければならないのでしょうか?
資力確保については後で詳しく説明するね。
売主が宅建業者で買主が宅建業者以外(例えば建設業者)の新築住宅売買の場合に資力確保をしなければなりません。頻出
- 代理や媒介する宅建業者には資金力確保の必要性はない。頻出
- 賃貸住宅、投資用マンションもOK。
- 旅館などはダメ。
資力確保のための住宅販売瑕疵担保責任保険契約は、新築住宅の宅建業者が保険料を支払うことを約し、保険法人と締結する保険契約であり、当該住宅の引渡しを受けた時から10年間以上、当該住宅の瑕疵によって生じた損害について保険金が支払われます。
これに反する特約で買主に不利なものは無効になります。
保険に入ったり、保証金を供託したりという手続きは売主の業者がすべてしてくれます。
一般人の買主がそんなことできませんよね。
対象範囲
上の図にある構造耐力上主要な部分および雨水の浸入を防止する部分について引き渡しから10年間の瑕疵担保責任を対象としています。
住宅販売瑕疵担保保証金の供託(資力確保の一つ)
宅建業者が住宅販売瑕疵担保保証金を供託する場合、新築住宅の床面積が55㎡以下(×100㎡以下)であるときは、新築住宅の合計戸数の算定に当たって、2戸をもって1戸と数えることになる。頻出
宅建業者が住宅販売瑕疵担保保証金の供託をし、その額が、基準日において、販売新築住宅の合計戸数を基礎として算定する基準額を超えることとなった場合、免許権者の承認を受けた上で、その超過額を取り戻すことができます。
売買契約を締結するまでに供託所の所在地などについて記載した書面を交付して説明を行う必要があります。頻出
住宅販売瑕疵担保責任保険(資力確保の一つ)
資力確保の手段の一つとして住宅販売瑕疵担保責任保険があります。
住宅販売瑕疵担保責任保険は住宅瑕疵担保責任保険法人と保険契約を結ぶ必要があり、以下のような一定の要件があります。
- 保険金額が2,000万円以上
- 保険契約の有効期間が、買主が新築住宅の引渡しを受けた時から10年以上である
- 国土交通大臣の承認を受けた場合を除き、契約の変更または解除が不可能
- 売主である宅建業者が保険料を支払うことを約するものである
資力確保措置に関する届出義務 頻出
宅建業者は、基準日ごとに、資力確保措置の状況について免許権者に届け出る必要があります。
そして、届出をする期限はを基準日から(×引き渡した日から)3週間以内となっています。
届出義務を怠るとどうなるの?
届出をしなければ、当該基準日の翌日から起算して50日を経過した日以後においては、新たに住宅の売買契約を締結できなくなってしまいます。
住宅瑕疵担保履行法の過去問一問一答YouTube
住宅瑕疵担保履行法に関する宅建過去問
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者ではない買主Bに新築住宅を販売する場合における次の記述のうち、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律の規定によれば、正しいものはどれか。
- Aは、Bの承諾を得た場合には、Bに引き渡した新築住宅について、住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結を行わなくてもよい。
- Aは、基準日に係る住宅販売瑕疵担保保証金の供託及び住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結の状況について届出をしなければ、当該基準日の翌日から起算して1月を経過した日以後においては、新たに自ら売主となる新築住宅の売買契約を締結することができない。
- Aが住宅販売瑕疵担保責任保険契約を締結する場合、保険金額は2,000万円以上でなければならないが、Bの承諾を得た場合には、保険金額を500万円以上の任意の額とすることができる。
- Aが住宅販売瑕疵担保責任保険契約を締結した場合、住宅の構造耐力上主要な部分又は雨水の浸入を防止する部分の瑕疵があり、Aが相当の期間を経過してもなお特定住宅販売瑕疵担保責任を履行しないときは、Bは住宅販売瑕疵担保責任保険契約の有効期間内であれば、その瑕疵によって生じた損害について保険金を請求することができる。
答え:4
- 誤り:品確法では新築住宅の売主に、引き渡しの時から10年間の瑕疵担保責任を課しており、これに反する特約で買主に不利なものは無効になります。したがって、買主の承諾を得ていても保険契約等の締結を行わなくてよいという特約は無効で、契約を締結しなければなりません。
- 誤り:1ケ月ではなく50日です。
- 誤り:住宅販売瑕疵担保責任保険契約の保険額は2,000万円以上でなければならず、買主の承諾があっても減額することはできません
- 正しい
宅地建物取引業者Aが、自ら売主として宅地建物取引業者ではない買主Bに新築住宅を販売する場合における次の記述のうち、特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律の規定によれば、正しいものはどれか。
- Bが建設業者である場合、Aは、Bに引き渡した新築住宅について、住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結を行う義務を負わない。
- Aが住宅販売瑕疵担保責任保険契約を締結する場合、当該契約は、BがAから当該新築住宅の引渡しを受けた時から2年以上の期間にわたって有効なものでなければならない。
- Aが住宅販売瑕疵担保責任保険契約を締結した場合、A及びBは、指定住宅紛争処理機関に特別住宅紛争処理の申請をすることにより、当該新築住宅の瑕疵に関するAとBとの間の紛争について、あっせん、調停又は仲裁を受けることができる。
- AB間の新築住宅の売買契約において、当該新築住宅の構造耐力上主要な部分に瑕疵があってもAが瑕疵担保責任を負わない旨の特約があった場合、住宅販売瑕疵担保保証金の供託又は住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結を行う義務はない。
答え:3