宅建業の報酬について計算方法や覚え方をわかりやすく解説

報酬に関する制限

※ 文中の灰色の部分はタップやクリックすると答えが見れます。

報酬に関する制限は毎年1題は出題される重要分野です。

報酬額の計算は頭の中でするのではなく、紙にしっかり計算式などを書いて問題を解かないとすぐにわけがわからなくなってしまいます。

きれいな紙を大きく使って、過去問をたくさん解くことにより慣れることが重要でしょう。

報酬額に関する基本事項

宅建業者は売買の媒介などをした場合、自由に報酬を請求できるわけではなく、国土交通大臣が定めた報酬額に基づいて請求できます。

宅建業者はこの報酬額を超えて報酬を受け取ることはできません。

要求すること自体が宅建業法違反で、依頼者が同意していてもダメです。

報酬額の計算方法

サト
サト

業者が受け取る報酬額は以下の手順で計算することにより算出できます。

STEP1 消費税を抜いて物件価格を計算する

建物は消費税の課税対象になりますが、土地は課税対象になりません

 中古住宅の売買代金320万円(うち、土地代金は100万円)と設問ででてきたら、建物代金200万円の消費税20万円を控除して、300万円を物件価格として計算していきます。

STEP2 報酬額を計算して消費税を加算する

物件価格報酬額
200万円以下物件価格×5
200万円を超え400万円以下物件価格×4%+2万円
400万円物件価格×3%+6万円
語呂合わせ

ふたごの女子が湿布を貼って、しみる

「ふ(200万以下)たご(5%)の女(200万超)子(400万以下)が湿(4%)布(2万)を貼って、し(400万超)み(3%)る(6万)」と覚えましょう。

サト
サト

消費税をかけるのを忘れやすいので注意してね。

STEP3 業者が受け取る金額が報酬額を超えていないか

媒介の場合・・・依頼者の一方から受け取ることができる金額は報酬額の計算結果通り

代理の場合・・・依頼者から受け取ることができる金額は報酬額の計算結果の2

媒介と代理の違い

媒介と代理は言葉は似ていますが、報酬額が違うので設問を読む時は注意して読む必要があります。

媒介というのは媒介を依頼された媒介人が当事者の間に入って契約の成立に尽力する行為で、売主等に代わって契約できません。

一方、代理というのは代理を依頼された代理人が、売主等に代わって契約を締結する行為をいいます。

媒介に比べて代理のほうが責任が重いので報酬額は2倍になると覚えておきましょう。

STEP4 複数の業者が絡んでいるときは媒介報酬額の2倍を超えていないかチェックする

報酬額の範囲

  • 依頼者から依頼されて行った広告は報酬額とは別に別途代金を請求できる。(説明しただけではダメ)
  • 依頼者からの依頼により行った遠隔地への現地調査に要した費用について報酬に含まれない。(報酬規程とは別に別途請求できる)
  • 建物状況調査を実施する者をあっせんした場合、報酬とは別にあっせんに係る料金を受領することはできない

通常の売買・交換の媒介・代理よりも現地調査等の費用を要するもの(低廉な空き家など)に関して以下の条件を満たすときは、報酬額を計算した額に現地調査費用を+して受領できる。ただし、報酬の上限は税込198,000

  • 400万円以下(消費税抜き)の金額の宅地又は建物をいう。
  • 宅地建物の売買又は交換の媒介
  • 空家等の売主または交換の依頼者から受けるもの
  • 宅建業者は、媒介契約の締結に際し、あらかじめ報酬額について空家等の売主・交換の依頼者に対して説明し、両者間で合意する必要がある。(比較 現地調査費は依頼者からの依頼)

貸借の場合

居住用建物賃貸借の場合

原則

居住用建物の貸借の媒介の場合、媒介の依頼を受けるに当たって依頼者が承諾している場合を除き、依頼者の一方から受け取れる金額は借賃の1/2ケ月分が限度。

例外(依頼者が承諾した場合)

借賃1ケ月分+消費税(貸主と借主の両方をあわせて)

居住用以外の建物賃貸借の場合

原則

借賃1ケ月分+消費税(貸主と借主の両方をあわせて)

例外(権利金の授受がある場合)

居住用以外の宅地・建物の賃貸借の場合、権利金を売買代金とみなして報酬を計算する。

定期建物賃貸借契約の場合でも同じ。

権利金を売買代金とみなして報酬を計算するとは実際にどうするのか過去問を例に見ていきましょう。

監督処分と罰則 宅建の監督処分と罰則の覚え方と問題の解き方のコツ 8種制限 宅建の8種制限をわかりやすく解説。手付金や契約不適合についてもまとめて紹介。

報酬に関する宅建過去問

宅建業者A社(消費税課税事業者)は貸主Bから建物の貸借の代理の依頼を受け、宅建業者C社(消費税課税事業者)は借主Dから媒介の依頼を受け、BとDとの間で賃貸借契約を成立させた。この場合に宅地建物取引業法の規定によれば下の文章は誤っているか?なお、1か月分の借賃は10万円である。

建物を店舗として貸借する場合、本件賃貸借契約において300万円の権利金(返還されない金銭)の授受があるときは、A社及びC社が受領できる報酬の額の合計は、308,000円以内である。

正しい。

【借賃の1ケ月+税の金額】

10万×1.1=11万

【計算表に基づいて計算した金額】

300万×0.04+2万×1.1=15.4万

C社は媒介なので1倍だから15.4万

A社は代理なので2倍だから30.8万(15.4万×2)

複数業者の場合は媒介の2倍まで受領できるので、A社及びC社が受領できる金額は30.8万以内

令和3年12月 問31

宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)が貸主Bから建物の貸借の代理の依頼を受け、宅地建物取引業者C(消費税課税事業者)が借主Dから媒介の依頼を受け、BとDとの間で賃貸借契約を成立させた場合における次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、誤っているものはいくつあるか。

なお、1か月分の借賃は8万円とし、借賃及び権利金(権利設定の対価として支払われる金銭であって返還されないものをいう。)には、消費税等相当額を含まないものとする。

  1. 建物を住居として貸借する場合、Cは、媒介の依頼を受けるに当たってDから承諾を得ているときを除き、44,000円を超える報酬をDから受領することはできない。
  2. 建物を店舗として貸借する場合、AがBから受領する報酬とCがDから受領する報酬の合計額は88,000円を超えてはならない。
  3. 建物を店舗として貸借する場合、200万円の権利金の授受があるときは、A及びCが受領できる報酬の額の合計は、110,000円を超えてはならない。
  4. Aは、Bから媒介報酬の限度額まで受領する他に、Bの依頼によらない通常の広告の料金に相当する額を別途受領することができる。
  1. 一つ
  2. 二つ
  3. 三つ
  4. 四つ

答え:2

  1. 正しい
  2. 正しい
  3. 誤り:Aが受領できる報酬額の合計は200万×0.05×2×1.1=22万、Cが受領できる報酬額の合計は200×0.05×1.1=11万ですので、受領できる報酬の額の合計は22万です。
  4. 誤り:依頼によらない広告料金は別途受領することができません。
令和3年10月 問44

宅地建物取引業者A(消費税課税事業者)が受け取ることができる報酬額についての次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。

  1. 居住の用に供する建物(1か月の借賃20万円。消費税等相当額を含まない。)の貸借であって100万円の権利金の授受があるものの媒介をする場合、依頼者双方から受領する報酬の合計額は11万円を超えてはならない。
  2. 宅地(代金1,000万円。消費税等相当額を含まない。)の売買について、売主から代理の依頼を受け、買主から媒介の依頼を受け、売買契約を成立させて買主から303,000円の報酬を受領する場合、売主からは489,000円を上限として報酬を受領することができる。
  3. 宅地(代金300万円。消費税等相当額を含まない。)の売買の媒介について、通常の媒介と比較して現地調査等の費用が6万円(消費税等相当額を含まない。)多く要した場合、依頼者双方から合計で44万円を上限として報酬を受領することができる。
  4. 店舗兼住宅(1か月の借賃20万円。消費税等相当額を含まない。)の貸借の媒介をする場合、依頼者の一方から受領する報酬は11万円を超えてはならない。

答え:2

コメントを残す

CAPTCHA