国土利用計画法をわかりやすく解説!語呂合わせで宅建に合格しよう。

国土利用計画法

※ 文中の灰色の部分はタップやクリックすると答えが見れます。

国土利用計画法はほぼ毎年1題出題されます。

届出対象面積を中心に勉強しておくといいでしょう。

次の記事 宅地造成等規制法

国土利用計画法の目的

国土利用計画法は国土利用計画による国土の有効利用に加えて、土地の投機的取引や地価の高騰、乱開発を未然に防ぐために、1974年に制定されました。

そして、国土利用計画法は、土地の投機的取引や地価高騰を抑制するとともに、適正かつ合理的な土地利用の確保を図るため、一定面積以上の土地取引について届出制度を設けています。

国土利用計画法は全国を以下の4つの段階にわけて規制しています。

国土利用計画法(無指定区域・注視区域・監視区域・規制区域)

無指定区域が一番規制が弱く、下に行くほど規制は強くなっています。

注視区域と規制区域は法律ができてから指定されたことはなく、現在は監視区域として小笠原村が指定されているのみです。

次に、一番規制が弱い事後届出制の無指定区域から詳しくみていきましょう。

事後届出制とは(無指定区域)

区域対象要件

事後届出制が実施される区域は注視区域・監視区域・規制区域を除いた全国です(無指定区域)。

届出時期

無指定区域において「一定の面積」以上の土地について売買等の契約を締結した場合、原則として権利取得者(買主)契約を締結した日から2週間以内に、一定の事項を市町村長を経由して都道府県知事に届出なければなりません。

届出されると知事は土地の利用目的について審査し必要な変更をすべきことを勧告することができます。

届出対象面積 頻出

市街化区域2,000㎡以上
市街化区域以外の都市計画区域内5,000㎡以上
その他の区域(準都市計画区域、都市計画区域外)10,000㎡以上

「2×5=10」の語呂合わせで覚えよう!

届出対象面積は権利取得者(買主)基準で考えます。

下で図を使って説明していますが、権利取得者基準ということだけ覚えておけば十分です。

実例1

国土利用計画法(面積基準)

市街化区域内で3000㎡の土地を持つAさんが、1000㎡をBさんに、2000㎡をCさんに売却した場合、2000㎡以上を取得したCさんは届け出する必要があります。Bさんは2000㎡以下なので届け出る必要はありません。

実例2

国土利用計画法(面積基準)

市街化区域内で1300㎡の土地と1700㎡の土地を一団の土地として利用することを目的として取得したAさんは届け出する必要があります。

買主基準で考えるそれだけです。

措置

届け出をしなかったり、虚偽の届け出をすると罰則がありますが契約自体は有効です。

無指定区域内の手続き

契約
知事に届出

知事への届け出は権利取得したものが、契約を締結した日から起算して2週間以内に行う。

利用目的のみ審査
助言・勧告・不勧告

勧告する場合は都道府県知事は届け出があった日から起算して3週間以内にしなければならない。(3週間の範囲で延長可)

勧告に従わない場合、知事はその旨及び勧告の内容を公表することができます。×しなければならない。

勧告を受けたものが土地の利用目的を変更した場合、知事は土地の権利処分についてあっせんや措置を講ずるよう努めなければなりません

事前届出制とは(注視区域・監視区域)

区域対象要件

事前届出制が実施される区域は注視区域・監視区域です。

注視区域・監視区域の指定をする場合、都道府県知事はあらかじめ土地利用審査会と関係市町村の意見を聞く必要があります。

届出時期

注視区域・監視区域において「一定の面積」以上の土地について売買等の契約を締結した場合は、原則として両当事者は契約を締結前に、一定の事項を市町村長を経由して都道府県知事に届け出なければなりません。

届出されると知事は利用目的及び予定対価の額について審査し必要な変更をすべきことを勧告することができます。

対価が金銭でない場合は、権利取得者は当該対価を時価を基準として金銭に見積もった額に換算して届け出書に記載しなければなりません。

届出対象面積 頻出

注視区域

注視区域の届出対象面積は、先ほどの事後届出面積と同じです。

監視区域

監視区域の届出対象面積は、都道府県知事などが規則で定める面積以上です。

注視区域・監視区域ともに当事者双方が基準になるので注意してください!

実例

国土利用計画法(面積基準)

市街化区域内の注視区域でAさんが3000㎡の土地のうち、1000㎡をBさんに、2000㎡をCさんに売却した場合、届け出が必要なのはAさんとCさんになります。(事後届出制の場合はCさんのみが届け出必要。)

措置

違反行為をした場合、罰則はありますが契約自体は有効です。(事後届出制と同じ)

許可制とは(規制)区域

許可制は近年出題実績がないので、記載しません!バッサリカットです。

出題されたら追記します。

サト
サト

気になる人は各自で調べてね

届出の対象となる土地売買 頻出

届出必要

  • 売買(予約・条件付き売買を含む)
  • 交換(金銭の授受がなくても届出が必要)
  • 賃貸借・地上権の設定契約で対価があるもの

届出不要

  • 贈与
  • 相続
  • 権利金などの対価の授受を伴わない地上権・賃借権の設定
  • 抵当権の設定

※届出の対象とならない売買の場合、面積対象要件でカウントされません。

売買などしても届出が不要な場合

  • 取引当事者の一方または双方が国・地方公共団体などである場合
  • 民事調停法による調停に基づく場合
  • 農地法第3条第1項の許可を受けた場合
  • 滞納処分、強制執行、担保権の実行としての競売の場合

国土利用計画法に関する過去問一問一答YouTube

国土利用計画法の宅建過去問

令和3年12月 問22

国土利用計画法(以下この問において「法」という。)第23条の届出(以下この問において「事後届出」という。)及び法第29条の届出に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市にあってはその長をいうものとする。

  1. 個人Aが所有する都市計画区域外の12,000㎡の土地に、個人Bが地上権の設定を受ける契約を締結した場合、Bは一定の場合を除き事後届出を行う必要がある。
  2. 法第28条に基づく遊休土地に係る通知を受けた者は、その通知があった日から起算して1月以内に、その通知に係る遊休土地の利用又は処分に関する計画を、都道府県知事に届け出なければならない。
  3. 市街化調整区域において、宅地建物取引業者Cが所有する面積5,000㎡の土地について、宅地建物取引業者Dが一定の計画に従って、2,000㎡と3,000㎡に分割して順次購入した場合、Dは事後届出を行う必要はない。
  4. 都道府県知事は、事後届出があった場合において、土地の利用目的に係る必要な勧告を行うことができ、その勧告を受けた者がその勧告に従わないときは、その旨及びその内容を公表しなければならない。

答え:1

  1. 正しい:都市計画区域外では10,000㎡以上の場合、事後届出が必要です。また、地上権の設定を受ける契約を締結した場合、対価があるものなど一定の場合には事後届出が必要です。
  2. 誤り:1ケ月以内ではなく、6週間以内です。
  3. 誤り:届出対象面積は権利取得者基準で考えます。権利取得者が合計して5,000㎡以上取得しており事後届出が必要です。
  4. 誤り:「公表することができる。」が正しく、「しなければならない。」は誤りです。
令和3年10月 問22

国土利用計画法第23条の届出(以下この問において「事後届出」という。)に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

なお、この問において「都道府県知事」とは、地方自治法に基づく指定都市にあってはその長をいうものとする。

  1. 土地売買等の契約を締結した場合には、当事者のうち当該契約による権利取得者は、その契約を締結した日の翌日から起算して3週間以内に、事後届出を行わなければならない。
  2. 都道府県知事は、事後届出をした者に対し、その届出に係る土地に関する権利の移転若しくは設定後における土地の利用目的又は土地に関する権利の移転若しくは設定の対価の額について、当該土地を含む周辺の地域の適正かつ合理的な土地利用を図るために必要な助言をすることができる。
  3. 事後届出が必要な土地売買等の契約を締結したにもかかわらず、所定の期間内に当該届出をしなかった者は、都道府県知事からの勧告を受けるが、罰則の適用はない。
  4. 宅地建物取引業者Aが所有する準都市計画区域内の20,000㎡の土地について、10,000㎡をB市に、10,000㎡を宅地建物取引業者Cに売却する契約を締結した場合、B市は事後届出を行う必要はないが、Cは一定の場合を除き事後届出を行う必要がある。

答え:4

  1. 誤り:2週間以内に事後届出を行わなければなりません。
  2. 誤り:事後届出で審査されるのは土地の利用目的のみです。
  3. 誤り:罰則の適用はあります。
  4. 正しい

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