※ 文中の灰色の部分はタップやクリックすると答えが見れます。
宅建業をするにあたって守らなければならない「宅地建物取引業法」を勉強していくことにしましょう。
まずは法律の目的についてですが、宅地建物取引業法の目的は購入者の利益保護と宅地建物の流通の円滑化の2つです。
では、宅地建物取引業とは何なのか?
「宅地・建物」「取引」「業」ってどんな意味なのか詳しく見ていきましょう。
以下で説明する「宅地・建物」などに当たらない場合は取引するにあたって宅建業の免許がいらないのでその点を意識して勉強するといいでしょう。
次の記事 宅建業者の免許の種類・申請方法など
宅建業とは?についてはYouTubeでも説明してます
宅地とは
宅建業法にいう、宅地とは以下の3つを指します。
宅地とは?
- 現在建物が建っている土地
- これから建物を建てる目的で取引される土地
- 用途地域内の土地
宅建業法における宅地とは、建物を建てることができる、若しくは建物が現在建っている土地を指します。
ですので、登記簿上の地目とは関係がありません。
登記簿上の地目が田や山林でもこれから建物を建てるつもりで取引するなら「宅地」になります。
登記簿というのは不動産関係の仕事をしていない人はあまり見ないかもしれませんが、その土地の所有者が誰ですよというのを証明してくれる書類のことで、法務局で手に入れることができます。
詳しくは不動産登記法で勉強します。
ここで出てきた地目というのは下の画像の赤線で囲っている部分のことです。
登記簿の例
また、用途地域というのは都市計画法で定められている地域のことを指します。
都市計画法は後で勉強するので、今は家や店舗を建てることができる地域というイメージを持っておけば十分でしょう。
用途地域内にある土地でも現在道路、公園、河川、水路、広場として利用されている土地は宅地に該当しません。
あくまで、現在建物を建てられる土地かどうかで判断するのでこれらは宅地に該当しません。
語呂あわせで覚えなくても、建物が建てられない土地だから宅地に該当しないと覚えておけば十分です。
建物とは
宅地に比べて建物はそれほど重要ではありません。
一戸建ての家だけでなく、マンションの一室、倉庫なども建物に該当します。
一読しておけばそれで十分でしょう。
取引とは
不動産取引のタイプには売買・交換・貸借などがありますが、ここで覚える必要があるのはこれだけ!
売買 | 交換 | 貸借 | |
---|---|---|---|
自ら当事者 | 〇 | 〇 | × |
代理 | 〇 | 〇 | 〇 |
媒介 | 〇 | 〇 | 〇 |
大家さんが自ら賃貸借する場合は宅建業法上の取引に当たらない。それ以外は取引に当たる。
ということだけです。
貸借以外に代理となって売買する場合や交換する場合など色々ありますがそれらはすべて取引に当たり宅建業の免許が必要になります。
また、合わせて覚えておきたいのは建築を請け負う請負業、マンションの管理業、宅地の造成業などは宅建業に該当しないということです。
請負業や管理業は不動産取引とは言えないから宅建業がいらないのは当たり前だよね。
業とは
業とは、不特定多数の人を相手にして、反復継続して取引を行うことをいいます。
不特定多数とは
不特定多数でなければ、社会への影響が大きくないため宅建業がなくても宅地建物の取引ができます。
過去問で出題された下の3つだけおさえておけば十分でしょう。
自社の従業員のみを相手として取引→不特定多数に該当しない
公益社団法人のみを相手として取引→不特定多数に該当する
多数の友人、知人を相手として取引→不特定多数に該当する
自社の従業員は不特定多数に該当しないのに、公益社団法人は不特定多数に該当するというのがわかりづらいですが、特定されている範囲の話だと思います。
従業員は自社という限定があるので不特定多数と言えないが、公益社団法人は多数あるので不特定多数と言えます。
あくまで範囲の話です。
反復継続とは
反復継続とは何回も繰り返すことを言いますよね。
なので、一回だけ不動産取引をしても反復継続とは言えず宅建業の免許はいりません。
しかし、誰かに土地の売却を代理してもらってその人が土地の売買を繰り返す場合は反復継続に該当し、宅建業の免許が必要になります。
これは、代理の効果は本人に帰属するため本人が繰り返し売買しているのと法律上は同じ意味だからです。
業にあたるかどうかは報酬をもらっているかどうかとは関係ないので注意しましょう!報酬をもらっているから業に当たると考えがちですが、無報酬でも宅建業に該当します。
宅建業の免許が不要な団体
宅建業の免許を受けなくても宅建業を営むことができる団体として以下のものがあります。
どの団体も無茶苦茶なことはしないだろうということで免許不要とされているわけです。
免許不要団体
- 国、地方公共団体
- 信託会社、信託銀行
農協は免許不要ではないので注意しましょう。
宅地建物取引業とは?の宅建過去問
宅地、建物に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。
- 宅地とは、建物の敷地に供せられる土地をいい、道路、公園、河川、広場及び水路に供せられているものは宅地には当たらない。
- 建物の一部の売買の代理を業として行う行為は、宅地建物取引業に当たらない。
- 建物とは、土地に定着する工作物のうち、屋根及び柱若しくは壁を有するものをいうが、学校、病院、官公庁施設等の公共的な施設は建物には当たらない。
- 宅地とは、現に建物の敷地に供せられている土地をいい、その地目、現況によって宅地に当たるか否かを判断する。
答え:1
- 正しい
- 誤り
- 誤り
- 誤り:現に建物の敷地に供せられているかどうかは問いません。供せられる予定の土地も含みます。
宅地建物取引業の免許(以下この問において「免許」という。)に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定によれば、正しいものはどれか。なお、いずれの場合も、その行為を業として営むものとする。
- A社が、都市計画法に規定する用途地域外の土地であって、ソーラーパネルを設置するための土地の売買を媒介しようとする場合、免許は必要ない。
- B社が、土地区画整理事業の換地処分により取得した換地を住宅用地として分譲しようとする場合、免許は必要ない。
- 農業協同組合Cが、組合員が所有する宅地の売却の代理をする場合、免許は必要ない。
- D社が、地方公共団体が定住促進策としてその所有する土地について住宅を建築しようとする個人に売却する取引の媒介をしようとする場合、免許は必要ない。
答え:1
- 正しい:用途地域外で建物を建てる目的ではないので免許は不要です。
- 誤り
- 誤り:農業協同組合は免許不要団体ではないので、宅地の売却を代理する場合は免許が必要です。
- 誤り:地方公共団体から取引の媒介を受けても免許不要とはなりません。